
みく
「伝える」表現について (続 AO入試の話)
更新日:2021年7月24日
初回のブログで、AO入試のお話をした毒島美空(ぶすじまみく)です!
前回AO入試のための準備について記載したのですが、資格も経験もなく、建築も知らなかった私が、「結局なんで受かったの?」という疑問を抱いた方も多いと思います。
今回は、私がAOで受かった理由と大学で取り組んできた課題について、「表現」というトピックを設けて話していきたいと思います。
単刀直入に、私がAO入試に受かった理由は資料の作りが良かったからだと感じています。
AO入試はまず一次試験(書類審査)を通らないと、二次試験(面接・ドローイング)に進めません。一次試験では志望理由書等の文書のみならず、「A4で4枚以下」以外は形式自由な活動報告書の提出がありました。文章表現が苦手だった私は、まず一次試験を通るためには、一目見て「こいつ面白い」と思わせる見た目の資料が重要だと思って、4コマ漫画で資料を作りました。
無事自分のやっていたことがヒットして、一次試験を乗り越えて迎えた二次試験では、完全に形式自由の自己PR資料の提出が待ち構えていました。当時の私にとってできる自己PRは、コンクールや留学の経験などではなく、「普通に生まれて、愛されて育って、楽しい学生生活をしてきた」っていう私の人生そのもの。特別な経験はないけれど、友達との出会いや部活動で少しずつ成長してきたというっていう事実を伝えたくて、「どうしたら見てくれるんだろう」「どうしたら興味を持ってくれるんだろう」ということを考えました。そこで資料作りに力を入れて、計40ページの雑誌を作りました。タイトルは「POISON ISLAND」(毒島)w 資料の作りのおかげで、毒島美空という私の人生について、教授陣に興味を持ってもらえたと感じています。

左)一次試験での活動実績報告書
右)二次試験での自己PR資料
まあここで伝えたいのは、最終目標を達成するために、いかに相手を自分のフィールドに取り込めるかが重要ってことです。私にとっての受験期のゴールは「わせけんに受かること」であって、そのためには自分の考えを「伝える」ことが必須項目でした。でも「伝える」ために「文章をうまく書けるようにしよう」とか「建築をめっちゃ語れるようにしよう」とは思いませんでした。自分にはコンクールで賞を取るような天才的な絵心はないけど、少しばかりの絵心とそれを好きな気持ちはありました。ちょっとした絵でも見せ方によって人に与えられる影響が格段に変わります。私は4コマや雑誌を利用した結果、相手の興味を引くのに効果的に働きました。つまり私の場合は、最も自分の考えを効果的に伝えられる方法が資料表現であっただけ。アプローチの方法はいくらでもあります。
いかに見せるか、いかに表現するかは、わせけんで様々な作品に取り組むうえでもすごく重要です。
どれだけ深く考えていたとしても、それが誰かに伝わらないかぎり、その作品の良さは多くの人に届きません。たとえば設計課題では自分の考えを伝えるために、パース(建物の立体的な空間がわかるドローイング)表現をする人、図面表現をする人、模型表現をする人、文章表現をする人など様々な人がいます。どのような表現が伝えるのに効果的なのか、どのような表現が得意なのかを、考えて見つけていくことが大学での課題では重要になってくると思います。

特徴が異なるプレゼンボード表紙
自分の得意分野によって評価されない課題も多いと思います。評価されるために課題をやっているわけではないとはわかってはいても、評価されないと苦しいのも事実です。でも、そういう経験から自分にできることや、得意なことを見出していくことに意味があると思います。時間はかかるかもしれないけれど、あの辛かった経験があってよかったって思う日は来るものです。
一人で生きていける人なんてこの世にいなくて、誰かに何かを伝えながら、協力して生きていくものだと思うんです。ぜひ、大学で「伝える」表現力を見つけてください。伝えあって、協力しあって、高めあってください。
わせけんは、それが実現できる場所です。
みく